食べ物を大切にする心を大切に

初物は笑って食べるんだよと、私に教えてくれたのはお婆ちゃんでした。
野菜でもお米でも何でも、その年初めて収穫した物を食べる時は、必ず笑顔で口に入れるようにと教わってきたのです。


そこにどんな理由があったのか、教えてもらったのかもしれませんが残念ながら覚えてはいません。
ただ、そんな風に私に教えてくれたお婆ちゃんは、確かにいつも笑いながら初物を口に運んでいました。
昔は、トマトやキュウリはあくまでも夏に食べるもので、大根なんかは寒くなってきてから食べるものだったように思います。
季節に逆らうことなく、一番美味しい状態で食べていました。

今は、大抵のものは年がら年中食べることができます。
真冬でも、夏野菜を使ったサラダだっていつでも食べることができます。
だからでしょうか、それがいつの間にか当たり前になっていて、食べ物への感謝を忘れているような気がしてくるのです。
初物と言う言葉を耳にしなくなったのも、恐らくこのような理由からかもしれません。

我が家では、とにかく食べ物を粗末にすることを絶対に許しません。
野菜でもお肉や魚でも、買ってきた物は99.5パーセントは必ず食べています。
ムダにすることも無ければ、不要な物を買ってくるようなこともほとんどありません。

これは、どなたかに頂いた時も同じ。
まず捨てることはありません。
農家で育った私にとって、野菜やお米を粗末にすることはとても辛いことなのです。

きっと、魚だって漁師さんが命がけで海に出て捕らえてきたもの。
お肉だって、大切な命を奪っているものなのです。
ですから、食べ物を大切にするのは、本当に極当たり前の事だと思うのです。

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